韓国映画:クロッシングみました
(ちょっと修正しましたH22.9.22)
この作品はネタばれなくして語れそうもありません・・・ごめんなさい。
主人公は嫁が結核になって薬代を稼ぐためにやむを得ず、中国に行って金を稼ぎに行っただけなのですが・・・
インタビューを受ければお金がもらえるという話にのって、他の脱北者と一緒に瀋陽のドイツ大使館に逃げ込みます。
しかし、お金はもらえず、かといって大使館から出れば即逮捕の状況となってしまい、
結局、主人公は韓国で定着支援金がもらえるからと韓国へ行くことになりました。
脱北者は韓国を目指しているっていう先入観がありましたが、実態はそうではない場合もあるんですね。
いつの間にかたどり着いたというか・・・決して本位ではない人もいたんでしょうね。
実際、南に行ったら臓器を売られてしまうという台詞が映画の中でありました。
だから、家族を連れてという方が少ないんだ。。。と納得しました。
ただ。。
主人公は元北朝鮮のサッカー代表選手で、首領様からテレビまで頂いた人。
奥さんが、結核にならなったら多分そのまま平和に一生を過ごしたんじゃないでしょうか。
国家にここまで翻弄されなかったんじゃないかと思うと、ちょっと日常から離れただけでここまでになるというのは大変怖かったです。
また、脱北したもののなまりで北の人だとわかって、しかもこの就職難で、なかなか就職できないという話も聞いていました。
しかし、主人公の彼は、映画の中では韓国で職をえます。
そういう意味では映画の主人公は、脱北者のなかでは、恵まれているのかもしれないと思いました。
最後息子さんは、中国経由でモンゴルに脱出して主人公である父と逢おうとしますが、残念ながらモンゴルでなくなります。
そして、モンゴルで息子さんを埋葬します。・・・私だったらせめて韓国に連れて行って埋葬したいと思うんですが
なくなったので、飛行機に乗せて韓国に連れて行けずモンゴルで埋葬したのかなとも思いました。
(どこかで読んだのですが、ヨーロッパに旅行中、同行者が重篤な状態になって、その方は飛行機ででつれて帰ることにしたんですが、中継地で乗り継ぎが必要で、その時同行者が亡くなっていたら、同行者は飛行機に乗れない、それでもいいかと一筆書かされて飛行機に載ったという話を思い出しました。)
せめて近くで埋葬して、毎日のようにおまいりに来たいだろうに・・・と思うととても悲しかったです。(考えすぎかもしれませんが)
この後、彼は、どうなるんだろうかと考えてみました。
戻れば過酷な収容所行き・・・すると、彼は韓国で生きることになるのでしょう。
娯楽があって、お酒も飲めて、食うには困らない・・・けど彼にとってそこに幸せがあるのだろうかと思うと、非常に悩ましいです。
エンディングで主人公が北朝鮮でみなで集まって、お酒を飲んでたのしそうに遊んでいる映像が流れるのですが、それを見て、何が幸せなのかをとても考えさせられました。
いろんな取材を元に構成された映画なのでとてもリアリズムがあって、心をえぐるような説得力がありました。
ちなみに題名のクロッシング。越境という意味らしいです。
P.S.
スタッフロールに「脱北者」がハングルで「탈북자(脱北者)」って書いてあったんですが、ハングルでは「귀순자(帰順者)」とかくとばっかり思ってました。勉強になりました。
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コメント
はじめまして!
韓国語のブログを渡り歩いているうちに、偶然こちらにたどり着きました。
その日から、ほぼ毎日来てはバックナンバーをずっと読み続け、先日やっと全部読み終えました(o^-^o)
とても興味深く読ませていただきました~~~
まず、なんといってもお人柄に惹かれました!!
それから、すっかり低下してしまっていた韓国語学習のモチベーションが、こちらで刺激を受けて上昇傾向に転じました。感謝感謝です。ありがとうございました。
私も、最近“クロッシング”を観てきました。
薬代のために中国に向かっただけだった主人公が、彼の意思に反してどんどん家族から離れたところへ遠ざかってしまい、翻弄されていく……。脱北は単なる逃避行だけじゃないんですね。いろんな事情が複雑に重なってたりするのですね。簡単に感想など口にできないような本当に重い映画でした。
初訪問で長々と失礼しましたm(__)m
これからも楽しみに立ち寄らせていただきます。
投稿: モランコッ | 2010年9月27日 (月) 15:06
■モランコッさま
全部読んでいただいたんですかー
ありがとうございます。
最初と今ではだいぶ違うかもしれないですw
>まず、なんといってもお人柄に惹かれました!!
ありがとうございます。
韓国語学習モチベーション上がられてよかったです。
>脱北は単なる逃避行だけじゃないんですね。いろんな事情が複雑に重なってたりするのですね。
そうですねー
私も本当にそう思いました。
国が個人をこれほど翻弄するのは今の日本では考えられないですね…
ご訪問ありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。
投稿: まろ | 2010年9月27日 (月) 19:42